神様のお話を「神話」といいます。「ギリシャ神話」や「北欧神話」
をはじめ、世界中にたくさんの神話があります。
日本でも、世界の始まりの話や、私たち人間につながる神様の物語
が生まれ、文字のなかった時代に、昔話として口伝えで広まっていました。
そうした日本の神話をまとめた、最初の書物が『古事記』です。
それは、今から1300年ほど前の第40代天武天皇が「日本の成り立ちや
天皇家の始まりを書き残しておこう」と考え、作られたものです。
『古事記』には、「ヤマタノオロチ」や「因幡の白兎」のお話などが
書かれています。ただ、こうした物語の裏には、天皇が、自分を神々の
子孫であるとアピールして人々を支配する目的もあったでしょうから、
『古事記』に書かれていることが本当かどうかはわかりません。
けれども、私たち日本人が昔から自然とともに生きてきたこと、先祖が
いるから、今の私たちがあることが伝わってくるすばらしい物語です。
また、科学的な面もあります。
『古事記』には、世界の始まりと同時に天と地が分かれたとあります。
これは、宇宙の大爆発によって地球が誕生した「ビッグバン」のことを
言っているのではないか、と言う人もいます。