古代の日本では、神様は、お祭りのときにやってきて、
終わると帰っていくものでした。だから、大昔に神社は
ありませんでした。
日本に仏教が伝わると、仏像を祀るために、お寺が建てられました。
それをまねて、神様がやってくる神聖な場所に神社を建てるように
なったのです。
ですから神社は、その土地と深く結びついています。また、そこに
住む人々の生活に結びつき、心のよりどころとなってきました。
仏様をよりどころとする仏教に対して、神様をよりどころとする
教えを「神道」と言います。
仏教の教えをまとめたものが経典、キリスト教の教えをまとめたものが
聖書です。 でも、神道には、教えをまとめたものがありません。
しかし『古事記』に書かれているように、神様が豊かな国を作りたいと
願い、その願いを受けついできた先祖に感謝すること、神様の恵みである
自然を大切にしていくことが、神様の教えと言えるでしょう。
仏教やキリスト教との大きな違いは、死んだあとの天国や地獄のことを
考えるのではなく、みんなと仲良く暮らし、子孫のために日本の国が
栄えるように祈ることです。
私たち人間も自然の一部であり、神様に生かされていることを忘れない
ようにしましょう。